最近ではイヌリンという成分が食後血糖値の上昇を抑えると話題になっています。一部の健康好きな方はイヌリンを知っているかもしれませんが、そもそもイヌリンという言葉自体初めて聞いた方も多いのではないでしょうか。イヌリンとは食物繊維の一種。とても注目されているので、食後血糖値の上昇対策を考えている人は知っていて損はないはずです。
イヌリンとは食物繊維の一種です。さらに食物繊維のなかで水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維があるうち、イヌリンは水溶性食物繊維に属します。一般的に食物繊維というと、キャベツやレタス、ピーマンなどの野菜に含まれるものとイメージをしますが、ほとんどの野菜に主に含まれるのは不溶性食物繊維です。水溶性食物繊維は野菜にも少量含まれており、海藻や根菜類、果物などに豊富に含まれています。
近年、タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルの五大栄養素以外に、食物繊維が第六の栄養素として重要視されています。そのため、単に野菜を食べるだけでなく食物繊維をどれだけたくさん摂れるかが大事と、しきりに言われるようになりました。しかも食物繊維は不溶性食物繊維だけでは不十分。健康のためには水溶性食物繊維もしっかりととる必要があります。ですが、ほとんどの人がイヌリンをはじめとした水溶性食物繊維を十分にとれていないのが事実です。そのため食事やサプリメントなどでうまく食物繊維をとるような生活スタイルを築くことが求められています。
食物繊維のなかでも水溶性食物繊維であるイヌリンが注目されているのは、食後血糖値の上昇を抑えると期待されているからです。食後の血糖値上昇を対策したいと考えている人にはとても耳寄りな情報なため、テレビ番組でイヌリンの凄さについて放送されるたびにますます注目が集まっています。ではイヌリンはなぜ食後の血糖値上昇を抑えるのでしょうか。それは食物繊維のもつ特殊な性質にありました。
食物繊維は人の消化器官では分解ができず、そもそも吸収されないためカロリーがありません。さらにイヌリンをはじめとした水溶性食物繊維は水に溶けるとゲル状になり、食べ物と一緒になって栄養素の吸収を穏やかにするのです。また、腸内細菌との関係についても近年研究が進んでおり、イヌリンが大腸で腸内細菌によって代謝され、短鎖脂肪酸を作り出すと言われています。結果、インスリン分泌を促進するとのことです。
こうした理由でイヌリンは糖質の吸収速度を緩やかにし、食後血糖値の急激な上昇を防ぐことができると言われています。
食後血糖値の上昇を抑えると話題のイヌリンを食事でとれるならば、これほどありがたいことはありません。例えばイヌリンが多く含まれている食材はコンニャク芋、ゴボウ等の根菜類やタマネギ、大豆、海藻類、果物などです。これらの食材をまずは日常生活に採り入れてみるとよいでしょう。朝食時にはフルーツと納豆を加えてみたり、根菜の煮物を作ってみると自然とおいしくイヌリンをとれるはずです。
ただ、そうは言っても一人暮らしや自炊が苦手な人にとっては難しいかもしれません。そのような場合はサプリメントでのイヌリン摂取を考えてみてはいかがでしょうか。サプリメントならば生活を圧迫することなく利用できるので、とても効果的です。商品の産地や安全性などに気をつけながら予算とあわせて自分にぴったりのサプリメントを探してみましょう。